KOSHO & CO. SPECIAL EDITION『SPIDER × ROARING TIGER(HAND PRINT)』の ご紹介です。
テーラー東洋のコレクションの中でも特に厳選した一品をディティールに拘り再現した のがスペシャルエディション。横振り刺繍で緻密に描かれた図案はもとより、生地の打ち込みを調整してヴィンテージと遜色なく仕上げ、ウールリブも旧式の横 編み機を使用して1着ずつ手作業で編んでいる。リバーシブル仕様のファスナーは、50年以上前のファスニング機械を再稼動させ、当時と同じ手曲げの物を再 現。港商時代のタグを使い、当時を彷彿とさせる仕上がりとなって いる。
暗闇の中で網を張り、獲物を待ち構える蜘蛛をモチーフにした1950年代初期〜中期 の作品。 腹部にある黄色と黒の縞模様から、日本に生息するコガネグモ(黄金蜘蛛)を描いた絵柄であることがわかる。 このような「蜘蛛柄」は非常に珍しく、ヴィンテージスカジャンの中でも特に希少な「髑髏柄」に蜘蛛の巣などは描かれているが、蜘蛛自体をメインとした絵柄 は本作以外発見されていない。
特筆すべきは刺繍糸の色の使い方で、ブラックのボディに沈まないよう「黒に浮き出る 黒」の色糸を使い、奥行きのある構図で蜘蛛の網とともにコガネグモを描写。また蜘蛛の足にピンクの色糸、JAPANの文字にパープルピンクの色糸、リブの ラインにパープルグレー、袖のパイピングはピンク×ホワイトとしており、配色に統一感を持たせつつ使う色のトーンをずらすことで絶妙なバランスに仕上げて いる。
リバーシブル面はシルバー×ブラックのモノトーンのボディに映える、プリントで描か れた虎の絵柄。 近代的な機械によるプリントではなく、一色ずつプリントの版を作り、それらを手作業で刷り重ねる手捺染(ハンドプリント)によるもので、想像を絶する手間 と時間を要する。それゆえ当時の生産数もごくわずかで現存数が非常に少なく、ヴィンテージ市場では耳を疑う金額で取引される代物。 本作は両面とも希少な絵柄の組み合わせとなっており、スカジャンの生みの親である「港商」の名に相応しい逸品といえよう。
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